芸術の秋~子どもの絵はメッセージ~

その他2023年11月09日

猛暑がようやく去り、ようやく秋の深まりを感じる季節になりましたね。

秋と言えばスポーツ、食欲、読書…といろいろなことが思い浮かばれますが、今回は芸術の秋!ということで、子どもたちの描画についてをテーマにしたいと思います。

 

<子どもたちはお絵描きが大好き!>

描画をしようとすると、「やりたい!」と目をキラキラさせてやってくる子どもたち。子どもたちがいきいき、のびのびと楽しそうに描く姿やその絵を見ると、とてもあたたかい気持ちになりませんか??

そののびのびと楽しむ気持ちや描くことが好きな気持ちを大切に育んでいきたい・苦手な子や自信がなくて描けない子が、少しでも前向きになれるようにはどうしていったらいいか…など、私たち保育士も日々子どもたちと接しながら試行錯誤したり悩んだりしています。

前回のはいざるの部屋で、職員研修の様子をお知らせしました。その中にあったように、先日職員の研修で昭島市にある”アトリエ絵の会”の信国有里さんに講師として来ていただきお話を伺いました。信国先生には以前よりたびたび拝島保育園に来ていただき、職員の勉強会で子どもの絵の見方などを教えて頂いています。先生から聞いた‟子どもたちの絵を見るポイント”は、子どもたちにかかわるすべての大人が知っていて損はないことなので、ぜひ保護者の皆さんとも共有したいと思い今回のはいざるの部屋で取り上げることにしました!

       
   

 

<子どもが絵を描くことを嫌いにならないポイントとは…>

子どもにとって描画は自分の気持ちや感じていることを表現する大切な方法の1つです。ママやパパ、友だちが大好きな気持ちをその人を描くことで表現したり、どこかに行って楽しかった思い出を描いて表現したり…言葉で話すように絵で表現しています。ネガティブな経験も同様で、怖いことがあった経験、不安で落ち着かない気持ち…そういったものも描いて表現することもあります。子どもたちの絵にはそんな様々な思いがつまっており、まさに”子どもの絵はメッセージ”なんですよ。

 

そんなたくさんのメッセージがつまった子どもたちの絵を見るときに大切なポイントは…

 

・ほめる! ・描かない! ・聞かない!   この3つが大切だということです!

どういうことか、簡単に説明していきたいと思います。

 

<描画の成長は子どもの成長とセット!>

〇1歳ごろ~…この時期はなぐり描きが中心です。

         

全身を使って縦や横、グルグル…

まだ手先も未熟で、握る力も弱いので、点や線が多く見られます。

 

 

 

 

 

 

だんだん円のような形になっていき…(丸がかけるようになるには、腕が大きく動くことが必要なので、肩や手首の発達も大事なんですよ!)

円が閉じて、丸の完成です! 丸がかけると嬉しくて丸をいっぱい練習する子も多いです。

           

丸からしだいに意味づけ(描いたものに、これは○○!と名称を言うこと)するようになります。顔を描くのもこの頃ですね。

ぐるぐる殴り描きしていた子が、ある日こうして顔を描くようになる…その時はなかなか感動的なものです!

この絵ではまだ目と口らしきものが描かれている段階で、大人から見ると足りないパーツの方が多く、つい大人は何の気なしに“鼻は?”“耳は?なんて言ってしまいがちです。でもそれはNG!目と口だけの顔でも、それが今のその子の発達で、一生懸命描いた絵です。

大人の感覚で、まだ描かれていないパーツを指摘したりせず、そのとき描いたものをありのままほめてあげることが大切です。

ありのままほめる、ってどうやってほめるの?と難しく感じるかもしれませんが、たとえば上の絵だと「たくさん描けたね」「とっても大きく描けたね」など、描いてあるものをそのまま言葉にしてほめてあげるといいかと思います。他には「いろんな色をつかったんだね」とか、今まで描いていなかったけれどその日初めて描いた、というところを見つけてほめてあげるのもいいですね!

私たち保育士も、ほめ方のボキャブラリーを日々勉強中です…!

  顔から手足が出て、人間らしくなっていきます。これを”頭足人(とうそくじん)”や”頭足手人間”といいます。

顔から手足のでているこの感じがとっても微笑ましいですよね!この絵では髪の毛やほっぺも描かれているようですね!

こうしてひとりひとりの子どもが成長していく中で、だんだんと自分の身体のことがわかるようになったり、周りのひと・ものがわかるようになっていき、描画にもそれが表れていきます。子どもたちの描画は身体や心の成長とともに、認識面や手先の器用さも成長していくことで変化していくものです。

お子さんが人間らしき姿を描くようになり、まだ足りないパーツがあったとしても、いつそれに気が付くかな?いつ描くようになるかな?と、その”いつか”を楽しみにしていると、描くようになった時の感動もひとしおですよ。

 

子どもの絵を見る大事なポイント、一つ目の”ほめる”については上のとおりです。

そして次のポイント…”聞かない”

子どもの味のある絵(言い方を変えると拙い、と言うでしょうか…)を見ると、何を描いているのかわからないこともありますよね。

でも、”それは何?”と聞くのは一生懸命描いた子どもに失礼。大人が気軽に聞いた裏で子どもは、上手に描けたのに… わからないの?? と残念に感じているかもしれません。上に書いたように、ありのままをほめつつ、子どもが自分で「これは〇〇なの!」と話していたとすれば「そうなんだ!これは〇〇なんだね!」と共感してあげるといいと思います。

 

そして、”描かない!”

これは”大人が描いてみせない”ということです。おうちで一緒に絵を描いていると、つい大人がラクガキ程度にアンパンマンや動物を描いてしまったり、お子さんが大きくなってくると「〇〇を描いて!」とせがまれて、大人が描いてあげるということもあるかと思います。

やはり大人は子どもよりも上手に絵が描けるものです。大人は人の身体や動物の特徴、天地や大きさの比較などといった物事の概念が当然分かっているので、そういう絵が描けます。

ですが子どもはまだそういうことを理解していっている最中です。そのため、大人が描いてあげてしまうと”ママやパパのほうが上手だな””ぼくはへただな…”と自信をなくして描くことが苦手になってしまったり、まだそこまで描けないのに先を急がせてしまうことにもなりかねません。もしも「描いて!」とせがまれたら「あなたが描いた絵がみたいな!」など、子ども自身が描くことに向かえるように声をかけてあげるといいですよ。

 

 

 

 

 

 

子どもたちの描画を見るときの大切なポイントをお知らせしてきましたが、いずれも日常生活のなかではついうっかり大人がやったり言ったりしてしまいがちなことも多いかと思います。

ですが園で子どもたちにかかわっていると、やはり描画に対し苦手意識を持っていたり自信のない子も少なからずおり、年齢が高くなるほどその苦手意識を払拭するには時間がかかります。

子どもたちが描画で自分の気持ちをいきいきと表現していけるよう、かかわる大人は目いっぱいほめて、自信をつけていってあげたいですね。今回ご紹介したことが、少しでも役立ってくれると嬉しく思います。